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2013年04月04日

野田自民党総務会長と政経懇談会を開催

 経団連は去る4月2日、自由民主党の野田総務会長と当面の重要政策課題等を巡り意見交換した。経団連側より、米倉会長、渡審議員会議長、副会長、審議員会副議長ら13名が出席した。以下は懇談会の概要である。

米倉 会長
 第二次安倍政権は、金融政策、財政政策、成長戦略の「三本の矢」を推進するとともに、TPP交渉への参加表明を行う等、日本再生に向けた様々な新しい政策を実行に移してきた。
 こうした動きをうけて、市場では、行き過ぎた円高の是正と株価の回復が進みつつあり、企業を取り巻く事業環境にも、相当明るい兆しが見え始めてきた。
 野田総務会長には、党内をまとめる扇の要として、引き続き、政府の政策遂行を支えていただきたい。
 経済界としても、イノベーションを加速させ、自ら新たな成長の機会を創り出すことで、民主導の持続的な経済成長の実現、ならびに、雇用の維持・創出に努めていく。

野田 総務会長
 昨年の衆院選で政権に復帰したが、選挙結果は民主党に対する不満の表れであり、国民の信頼を得たとまでは思っていない。
 野党時代に自力で考えた政策が、いまの第二次安倍政権の政策の基盤となっている。円高対策に率先して取り組んだのも、その一例である。
 今後、日本がかつてない人口減少社会に突入するという認識のもと、規制改革や成長戦略を実行したい。
 明治維新以降、日本は急激に人口が増加した。しかし、我々の子孫は、右肩下がりのトレンドのなかで生きることになる。このような人口構造の変化を踏まえ、社会保障の仕組みを抜本的に見直すとともに、高齢者向けのビジネスのチャンスを広げることが重要である。
 あわせて、経済の活性化のため、女性の活躍を促すことが必要である。「ウーマノミクス」という言葉があるが、女性を活用すれば、GDPが15%は上がると言われている。他方、男性の失業率が女性の失業率を上回る「マンセッション(男性不況)」になっている。これが、少子化の一因となっている。
 2020年に女性の指導者を30%にするといういわゆる「にぃまる・さんまる」の目標は、女性の活躍推進に向けた思いの現れである。全ての分野で優秀な女性が活躍できるよう、尽力したい。

【意見交換(概要)】
経団連側:医療・介護・農業などは、関係官庁による煩雑な手続や行き過ぎた規制が残っている。成長戦略を実行するため、これらの規制を見直すべきだ。

野田 総務会長:前回の衆院選は決して自民党が票を伸ばした訳ではない。とりわけ成長戦略において、実績を残す必要がある。
 民主党とは異なり、自民党では総務会のプロセスを経て、議論に耐えうるものを作ることができると考えている。

経団連側:女性の活躍推進のためには、保育所等の環境の整備を進めるとともに、働く女性のロールモデルを示すことが重要である。

野田 総務会長:女性の活躍推進は、経済の活性化に資するという観点で考えてほしい。女性が働いた方が子どもの数が増えるという調査結果も出ている。

以 上


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